吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)

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新潮社
価格: ¥700

吉里吉里人 (上巻) (新潮文庫)のレビュー

高校生時に読んだ初大作です。
もう何十年も前の私が高校生だった頃、
初めて大作小説を読んだのがこの本でした。
今でも大切に所蔵しています。

東北のある地方で
日本国からの独立運動が湧き上がり、そして実行したが、
儚くも阻止されてしまった物語である。

吉里吉里という地名は、東北に実在し
ロマンを駆り立てる。
吉里吉里の人々は、とっても <めんこい>^^

「国家とは何か、どうあるべきか。」
真剣に、そして楽しく、夏休みを利用して一気に読んだのが最近のように
鮮明に覚えています。
レビューを書いているうちに、再び読みたくなって来ました♪
昔、本書がベストセラーのとき読んだが
本書は、単なる娯楽小説。ひまつぶしのために読む読みもの以上でも以下でもない。

ラジオドラマ化され、録音もして欧州でも聞いた。しかし、私は、このようなものは、文学とは認めない。井上ひさしは、孤児院で育ったと聞いている。文章は平易で、なかなか読ませる腕の作家であることは認める。

しかし、この書が『ドン・キホーテ』のように、初版から四百年後の世界にも残る人類史上の最高傑作だとは、到底思えない。
笑いのセンスが古臭い

私には無理でした。
上巻のわりと早い段階から嫌気がさしました。
笑えないのです。

私自身、ドタバタはけして嫌いなほうでなく、
筒井康隆などはおおいにノレるのですが、
こちらはどうも...。

この違和感を喩えて言えば、
笑いのセンスに乏しい「おじさん」が延々と繰り出す
ひとりよがりなシモネタや駄洒落にゲンナリする
―あの感じです。
とくに「エロ系の笑い」はおっさん臭このうえなく、
知的洗練とはほど遠いです。

引き合いに出すのはフェアではないかもしれませんが、
たしかほぼ同じ時期に発表され、やはり一地方が日本から
独立する寓話を描いた大江健三郎の『同時代ゲーム』の
第4章のほうが、意外にも、よっぽど気持ちよく笑えました。
作者の知識がほとばしる
一農村が吉里吉里国として日本から独立を宣言。日本政府の妨害を如何に対処し目的を達成するか。吉里吉里人達が繰り出す奇想天外な対抗策とその行く末がこの小説の骨子であって、私が読み進む上での大きな誘因だったのですが、それだけを追うと大きな肩すかしを食らうでしょう。

読後に私の心に残るのは、そこかしこに散りばめられたエピソードに秘められた著者の持つ縦横無尽の博学さと、農業や医学や政治など諸制度に対する主張の根源性でありました。著者が抱く理想郷の片鱗を寄せ集めた結果が吉里吉里国なのだと思います。

やっつけ仕事の様に感じるどたばた喜劇の進行と猥褻表現と鋭い言語感覚と炸裂する知性と、ごった煮のアンバランスさにすっかり飲まれてしまいました。
とにかく笑い転げました
最後まで笑いながら読みました。こんなおかしな小説は珍しい。たとえば、「吉里吉里語講座」では通常の語学学校の常識が転倒しています。普通は外国語を学ぶ際、劣等感を持たないよう、口をきちんと動かすようを指導していますがここでは劣等感をもちましょうとなっているのがおかしい。主人公のどじなキャラに愛着しました。自衛隊との衝突のシーンもずっこけていておかしいし、会話は漫才のようだし。東北弁も生き生きしているし。ナレーションはユーモラスだし。
政治的風刺も効いていて、ことばのあそびもおもしろくて。ラストシーンには、国家機密を解明する言葉の遊びが隠されているので、お楽しみに。どたばたであるとの意見もありますが、こういう上手などたばたなら楽しめます。